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月別アーカイブ: 2025年6月

第16回橋梁工事雑学講座

皆さんこんにちは!

 

有限会社原建の中西です。

 

 

 

橋梁工事の未来について 〜デジタル・省力化・再生可能社会の中で〜

前回に続き、今回は**「橋梁工事の未来」**についてご紹介します。

高度経済成長期に建設された多くの橋が老朽化する中、これからの橋づくりには「作る」だけでなく「守る」「更新する」視点が不可欠です。
同時に、労働人口の減少・環境問題・地域課題にも対応していくことが求められています。


◆キーワード①:DX(デジタルトランスフォーメーション)

 

今、橋梁工事の現場ではICT・デジタル化が急速に進んでいます。

✅ 3Dスキャニング・点群データ

現場をレーザー測量し、3Dで橋や地形を再現。施工前の干渉確認や重機の動線設計が格段にスムーズに。

✅ BIM/CIM(情報共有モデル)

設計図面を3Dデータで共有し、施工管理・設計変更・資材発注まで一元管理が可能に。

✅ ドローンによる点検・測量

高所やアクセス困難な場所でも、ドローンで安全・迅速に状況把握が可能です。


◆キーワード②:省人化・ロボット化

 

人手不足が深刻化する中、機械に任せられる作業は機械に任せる時代へ。

  • 鉄筋結束ロボットによる配筋作業の省力化

  • 自動クレーン制御による吊り上げ精度向上

  • 遠隔施工機械での安全作業(特に水上・高所)

橋梁工事は高度な精度を要求されるため、こうした精密かつ反復的な作業をAIやロボットに任せる動きが加速しています。


◆キーワード③:再生可能材料・カーボンニュートラル

 

脱炭素社会の中、建設業でもCO₂削減の取り組みが欠かせません。

  • 低炭素コンクリートの開発

  • 再生鉄筋・再生アルミの導入

  • 高耐久で長寿命な材料による「更新頻度の低減」

つまり、「一度つくって長く使える橋」を目指す設計と施工が、これからの常識となります。


◆キーワード④:維持管理型社会への転換

 

今後は“新設”よりも“メンテナンス”の比重が増えていきます。

  • 橋梁点検のAI自動診断

  • クラック(ひび割れ)検出システムの導入

  • センサー内蔵型のスマート橋梁構造(IoT)

こうした**データ活用による“予防保全型インフラ”**が主流となり、
「壊れてから直す」ではなく「壊れる前に気づいて対応する」時代になります。


◆まとめ:橋梁工事は“未来の街づくり”そのもの

 

これからの橋梁工事は、技術革新と環境配慮を両立させる総合型インフラづくりになっていきます。

  • 人と自然をつなぐ構造物として

  • 地域を守る防災インフラとして

  • 人手不足を補う未来技術の導入先として

「橋」は、時代の変化とともに役割を進化させています。
橋梁工事に関わるすべての人々が、**未来に誇れる“架け橋”**を作り続けられるよう、私たちも挑戦を続けていきます。

 

 

次回もお楽しみに!

 

 

 

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第15回橋梁工事雑学講座

皆さんこんにちは!

 

有限会社原建の中西です。

 

 

 

橋梁工事の環境について 〜自然・地域・施工現場と向き合うために〜

今回は、インフラ整備の中でも特に重要な「橋梁工事」における環境との関わりについて掘り下げてみたいと思います。

橋をつくるという行為は、ただ“構造物を架ける”ことにとどまりません。
そこには自然、地域社会、生態系、さらには未来の安全までを見据えた「環境との対話」が必要です。


◆なぜ橋梁工事に“環境配慮”が求められるのか?

 

橋梁工事は多くの場合、河川や海、渓谷、山間部など、自然環境の中で行われます。
そのため、以下のような環境リスクと隣り合わせです。

  • 土砂流出による河川の濁り・汚染

  • 生態系(魚類や水生昆虫など)への影響

  • 工事車両や機材の騒音・振動・排気

  • 建設資材の搬入・仮設構造物による自然改変

  • 地元住民や農業への影響(通行止め、騒音、粉じん等)

つまり、「安全な橋をつくる」ことと同じくらい、「周囲の環境を壊さない」努力が重要なのです。


◆環境への影響を最小限に抑えるための技術と工夫

 

近年では、施工方法そのものが進化し、環境負荷を大きく下げる取り組みが進んでいます。

✅ 仮設工の簡素化・軽量化

仮設足場や作業ヤードをなるべくコンパクトにし、現場での自然改変を最小限に抑える工夫がされています。

✅ 流域の濁水処理システム

河川上での橋梁施工では、コンクリート打設や掘削による濁水を濁水処理装置でろ過・沈殿させてから放流するのが常識です。

✅ エコマテリアルの使用

CO₂排出量の少ないセメントや、再生鋼材、環境配慮型の防錆塗料を使うなど、「資材そのもの」の環境配慮も進んでいます。

✅ 騒音・振動対策

夜間作業の抑制、無振動・低騒音型の重機選定、防音パネルの設置などにより、近隣住民への影響も軽減されています。


◆地域との共生も“環境配慮”の一部

 

環境とは自然だけを指すのではありません。
「人の暮らし」との調和もまた、広い意味での“施工環境”です。

  • 通学路や生活動線の確保

  • 農作業への配慮

  • 工事期間の住民説明会の開催

  • 防災対策の共有

橋梁工事は数ヶ月から数年に渡る長期プロジェクトであるため、地域と一緒に作る姿勢が非常に重要です。


◆まとめ:持続可能な社会に向けた“橋のつくり方”

 

橋梁工事が果たすべき役割は、単に人やモノを通す“手段”をつくることではありません。

  • 自然を守る

  • 人の暮らしを支える

  • 未来に残す

そのために、設計・施工・維持管理の全てのフェーズで環境との調和を意識した技術と姿勢が求められています。

次回は、「これからの橋梁工事の未来」について、デジタル技術や再生可能材料の活用なども交えながらお話しします。

次回もお楽しみに!

 

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